1-1
望遠レンズは、DOFが浅く主人公の存在感や表情にフォーカスさせやすい。
望遠レンズで演者の動きに合わせてパンをし、ワンショットで前景と背景も捉える。
望遠レンズは距離感を圧縮する。俳優を片側、もう一方に物体を配置すると物体に関心を持たせられる。
望遠レンズは、DOFが浅く主人公の存在感や表情にフォーカスさせやすい。
望遠レンズで演者の動きに合わせてパンをし、ワンショットで前景と背景も捉える。
望遠レンズは距離感を圧縮する。俳優を片側、もう一方に物体を配置すると物体に関心を持たせられる。
1-2
俳優のエクストリームクローズアップを捉える。目だけをフォーカスする効果。
俳優のクローズアップを捉える。表情、感情表現を捉える。
*望遠レンズは観客にセリフをしっかりと聞いてもらいたいときに有効。
俳優のエクストリームクローズアップを捉える。目だけをフォーカスする効果。
俳優のクローズアップを捉える。表情、感情表現を捉える。
*望遠レンズは観客にセリフをしっかりと聞いてもらいたいときに有効。
1-3
中望遠で前景中景後景の区別を不明瞭にする。(奥行き感の欠如)
→より望遠のレンズで演者に寄った固定カメラ。演者のフレーム内位置を同じにすることで、どこかに閉じ込められた印象が出る。前進してるはずがそう見えない。
望遠レンズのカメラ固定でフォーカス送り
中望遠で前景中景後景の区別を不明瞭にする。(奥行き感の欠如)
→より望遠のレンズで演者に寄った固定カメラ。演者のフレーム内位置を同じにすることで、どこかに閉じ込められた印象が出る。前進してるはずがそう見えない。
望遠レンズのカメラ固定でフォーカス送り
1-4
望遠レンズとドリーの組合せ。
広角を使うのに比べ、ドリーの距離が必要だが、DOFが有効になるのと合わせ、画角が狭く背景が多くフレームに入らないので観客が演者に集中できる。また、歪みが少なくきれいに見せれる。
望遠レンズでパン。
望遠レンズとドリーの組合せ。
広角を使うのに比べ、ドリーの距離が必要だが、DOFが有効になるのと合わせ、画角が狭く背景が多くフレームに入らないので観客が演者に集中できる。また、歪みが少なくきれいに見せれる。
望遠レンズでパン。
1-5
広角、横方向ドリー
遠近感の強調。広く奥行きのある空間に見せる。
広角、横方向ドリー
閉ざされた空間から開かれた空間への移動。
演者の心理変化の描写にも有効。
広角は、動きのスピード感も強める。
広角、横方向ドリー
遠近感の強調。広く奥行きのある空間に見せる。
広角、横方向ドリー
閉ざされた空間から開かれた空間への移動。
演者の心理変化の描写にも有効。
広角は、動きのスピード感も強める。
1-6
広角、ゆるい前進。
演者と同じ方向へ動くことで、観客は演者と共にある状況に入り込んでいく感覚を得られる。
広角のディストーション効果。
銃が実際より長く見える。演者が少しでも銃を動かせばその動きは誇張され、彼の心の動揺を演習できる。
広角、ティルトアップ。
ティルトアップすることで、ディストーションによるコメディー感を避けられる。
広角、ゆるい前進。
演者と同じ方向へ動くことで、観客は演者と共にある状況に入り込んでいく感覚を得られる。
広角のディストーション効果。
銃が実際より長く見える。演者が少しでも銃を動かせばその動きは誇張され、彼の心の動揺を演習できる。
広角、ティルトアップ。
ティルトアップすることで、ディストーションによるコメディー感を避けられる。
1-7
広角、人物ナメにし、適度な遠近感を出す。
ほぼ固定。演者の動きに合わせて多少動かし。
ワンショットで7ショット分の役割。長いショットは概して完成されたいくつかの構図を内包する。
広角、人物ナメにし、適度な遠近感を出す。
ほぼ固定。演者の動きに合わせて多少動かし。
ワンショットで7ショット分の役割。長いショットは概して完成されたいくつかの構図を内包する。
1-8
広角、演者に追従。
背景の流れのスピード感強調、カメラ付近の演者の動き強調。
広角、演者に追従。
背景のスピード感強調。慌ただしさの演出。
広角、演者に追従。
背景の流れのスピード感強調、カメラ付近の演者の動き強調。
広角、演者に追従。
背景のスピード感強調。慌ただしさの演出。
1-9
標準レンズ、ローアングル、パン、ドリーイン
標準レンズ。
主人公と他の演者の距離感が正しく見えている。
標準レンズ、ローアングル、パン、ドリーイン
標準レンズ。
主人公と他の演者の距離感が正しく見えている。
1-10
標準レンズと望遠レンズを使用。
望遠レンズ、DOF
背景がボケ、演者に集中させる。
標準レンズと望遠レンズを使用。
望遠レンズ、DOF
背景がボケ、演者に集中させる。
2-1
シンプルな横移動のみ。
脚本のみからストーリーの映像表現を引き出そうとしないこと。小道具や場所の特性を利用して、カメラはシンプルなセットアップにすることで、10種以上のショットを不必要にできる。
2-2
望遠レンズ。
演者と等間隔、同じスピードで移動。演者の顔をしっかりフレーム内にキープ。走る方向にスペース。演者の手前にアウトフォーカスしてる物体を入れることで臨場感が出る。
望遠レンズ。
演者と等間隔、同じスピードで移動。演者の顔をしっかりフレーム内にキープ。走る方向にスペース。演者の手前にアウトフォーカスしてる物体を入れることで臨場感が出る。
2-3
演者が動かない限りカメラは固定にする。
固定カメラ→演者フレームインで移動
→演者立ち止まり、カメラ固定
→演者移動でカメラも移動
※カメラが動くとそこに観客の目が奪われ、演者の表情を伝えるのが難しくなる場合がある。
演者が動かない限りカメラは固定にする。
固定カメラ→演者フレームインで移動
→演者立ち止まり、カメラ固定
→演者移動でカメラも移動
※カメラが動くとそこに観客の目が奪われ、演者の表情を伝えるのが難しくなる場合がある。
2-4
教師を回り込んでナメにして主人公を登場させ、さらに寄り付いてローアングルで紹介している。
主人公の性格を特徴づけ、印象的に残るものに演出されている。
教師を回り込んでナメにして主人公を登場させ、さらに寄り付いてローアングルで紹介している。
主人公の性格を特徴づけ、印象的に残るものに演出されている。
2-5
歩く演者手前に等間隔を保ちながらカメラを移動させる。通路の曲がり角などで斜め撮りになったりしている。
※とりとめのない会話シーンで有効。2人の演者の関係性を手短に伝えられる。ドラマ的な背景が混みいっていたり、ドラマのフィーリングが変化される時は使わないこと。
方向を変えない例。
歩く演者手前に等間隔を保ちながらカメラを移動させる。通路の曲がり角などで斜め撮りになったりしている。
※とりとめのない会話シーンで有効。2人の演者の関係性を手短に伝えられる。ドラマ的な背景が混みいっていたり、ドラマのフィーリングが変化される時は使わないこと。
方向を変えない例。
2-6
少し離れたところからストレートに主人公のクローズアップに寄る。
コミカルにならないように、右にいた人物がカメラの動きの動機になっている。主人公以外の演者は最終的にフレームアウトする。
少し離れたところからストレートに主人公のクローズアップに寄る。
コミカルにならないように、右にいた人物がカメラの動きの動機になっている。主人公以外の演者は最終的にフレームアウトする。
2-7
ワンショットの中で演者が前後左右に動いてもカメラは横移動のみ。
カメラに対し正対する演者。
カメラに対し落ち着きなく体の側面を向ける演者。
ワンショットの中で演者が前後左右に動いてもカメラは横移動のみ。
カメラに対し正対する演者。
カメラに対し落ち着きなく体の側面を向ける演者。
2-8
横移動とパンで背景の街並みや道路の様子を捉えつつ、最終的なフレーム位置で2人が並んだところを捉える。
カメラはわずかに前進。
一定のカメラ位置から撮ることで演者たちが立ち往生してる様子を描きだしている。
横移動とパンで背景の街並みや道路の様子を捉えつつ、最終的なフレーム位置で2人が並んだところを捉える。
カメラはわずかに前進。
一定のカメラ位置から撮ることで演者たちが立ち往生してる様子を描きだしている。
2-9
カメラに向かってくる主人公に対し微かにカメラを後退移動し、主人公は右へフレームアウトする。その後をより早い足で追う敵。
※追跡シーンで重要なことは、捕まるかもしれないという危機感と恐怖感、いかに距離を接近させるか。
カメラに向かってくる主人公に対し微かにカメラを後退移動し、主人公は右へフレームアウトする。その後をより早い足で追う敵。
※追跡シーンで重要なことは、捕まるかもしれないという危機感と恐怖感、いかに距離を接近させるか。
2-10
広角。演者の移動に先回りして弧を描いて動く。
急速に壁が現れては流れ去る、スピード感を強調する演出になる。
会話中、回り込みとパンの併用。ショットのおわり、固定になる前にジャンプカットで望遠の寄りにしている。
広角。演者の移動に先回りして弧を描いて動く。
急速に壁が現れては流れ去る、スピード感を強調する演出になる。
会話中、回り込みとパンの併用。ショットのおわり、固定になる前にジャンプカットで望遠の寄りにしている。
3-1
望遠レンズ、演者A後退りで存在感↓、背景アウトフォーカスで逃げ場ない塞がれた感じを演出。
→望遠レンズ、フォーカスの合う位置へ演者Bが前進。
→演者A後退り、演者Bぼやけたままフレームイン。
望遠レンズ、演者A後退りで存在感↓、背景アウトフォーカスで逃げ場ない塞がれた感じを演出。
→望遠レンズ、フォーカスの合う位置へ演者Bが前進。
→演者A後退り、演者Bぼやけたままフレームイン。
3-2
フレームの中を横切る演者。おかしくなった息子にイライラしてる。
最初のショットがあり、カメラに正対していることで次のショットが成立している。
監督の前をダンサーが横切る。ダンサーたちを吟味する彼の様子を描いている。
最後のショットは状況説明。
フレームの中を横切る演者。おかしくなった息子にイライラしてる。
最初のショットがあり、カメラに正対していることで次のショットが成立している。
監督の前をダンサーが横切る。ダンサーたちを吟味する彼の様子を描いている。
最後のショットは状況説明。
3-3
環境に存在するフレームを用いて、他のシーンの部分的な要素を取り込む。
演者の前進にあわて、カメラを前進させる。
→演者がドア側へ移動したら、カメラはパン。
※演者の動き早め、カメラは早めに最終ポジを確保してからパンすることでわざとらしさがなくなる。
環境に存在するフレームを用いて、他のシーンの部分的な要素を取り込む。
演者の前進にあわて、カメラを前進させる。
→演者がドア側へ移動したら、カメラはパン。
※演者の動き早め、カメラは早めに最終ポジを確保してからパンすることでわざとらしさがなくなる。
3-4
最初、主人公が観察してる様子を描く。
→次のショットは、主人公の主観ショットに見えるが、当の主人公は、脇からフレームインしてくる。
※すぐに順応できず生理的に落ち着かない感覚を与える。シーンの時間経過、演者の優柔不断さ、迷いなどを現せる。
最初、主人公が観察してる様子を描く。
→次のショットは、主人公の主観ショットに見えるが、当の主人公は、脇からフレームインしてくる。
※すぐに順応できず生理的に落ち着かない感覚を与える。シーンの時間経過、演者の優柔不断さ、迷いなどを現せる。
3-5
ドリーバックした先に演者が立っている。
演者は、物思いに耽っているか、行動を起こす瞬間などの場面転換、時間経過などを描写できる。
クレーンアップ。
ドリーバックした先に演者が立っている。
演者は、物思いに耽っているか、行動を起こす瞬間などの場面転換、時間経過などを描写できる。
クレーンアップ。
3-6
突き放される主人公の現状を示唆するかのように窓ガラスの写り込みが障害物として機能してる。
サイドミラーの写り込み。距離が離れてく。
望遠レンズのフォーカス送り。鏡の写り込みを用いて固定のワンショットで描き切っている。
※望遠のおかげでディストーションを起こさずに済んでいる。
突き放される主人公の現状を示唆するかのように窓ガラスの写り込みが障害物として機能してる。
サイドミラーの写り込み。距離が離れてく。
望遠レンズのフォーカス送り。鏡の写り込みを用いて固定のワンショットで描き切っている。
※望遠のおかげでディストーションを起こさずに済んでいる。
3-7
カメラはどちらのショットでも前進している。
※一般的にカメラを前進させる目的は、被写体が人でも物でも背景でも、シーンにとって重要だと考えるから。
※演者の動きにカメラを合わせる。カメラワークはストーリーに貢献するものでなくてはならない。
カメラはどちらのショットでも前進している。
※一般的にカメラを前進させる目的は、被写体が人でも物でも背景でも、シーンにとって重要だと考えるから。
※演者の動きにカメラを合わせる。カメラワークはストーリーに貢献するものでなくてはならない。
3-8
奥からやってくるヒロインにドリーイン。
最初はフレーム上で小さい存在感だったのが大きく捉えられる。舞台空間のエスタブリッシュも同時に行える。
※右の演者が体を斜めにし、ナメになり、ドリーインをスムーズにしてる。
画面奥からやってくるヒロインへのドリーイン。
奥からやってくるヒロインにドリーイン。
最初はフレーム上で小さい存在感だったのが大きく捉えられる。舞台空間のエスタブリッシュも同時に行える。
※右の演者が体を斜めにし、ナメになり、ドリーインをスムーズにしてる。
画面奥からやってくるヒロインへのドリーイン。
4-1
イマジナリーラインを越えることでドラマのムードを変える。
2番目と3番目でラインを越えている。
※頭を結んだラインに対し、一方の視線が下手を向けば、もう一方は上手を向く。
イマジナリーラインを越えることでドラマのムードを変える。
2番目と3番目でラインを越えている。
※頭を結んだラインに対し、一方の視線が下手を向けば、もう一方は上手を向く。
4-2
望遠、ハードフレームの横顔。楽譜のカットアウェイで切り返しのつなぎの変化を和らげている。
2番目のショットで2人が視線を合わさないことにより両者の横顔が捉えられている。
望遠、ハードフレームの横顔。楽譜のカットアウェイで切り返しのつなぎの変化を和らげている。
2番目のショットで2人が視線を合わさないことにより両者の横顔が捉えられている。
4-3
演者の動きに関連づけたパン
1人の演者を固定フレーム位置に保持
→もう1人がフレームインし、その演者に合わせパン速度を変更。
→2人が並んだとこでそのフレーム位置を固定。
パンとドリーの併用。
パンだけだと急いでいる感が出てしまうところをドリー併用で緩やかにし、日常的な行動として演出している。
演者の動きに関連づけたパン
1人の演者を固定フレーム位置に保持
→もう1人がフレームインし、その演者に合わせパン速度を変更。
→2人が並んだとこでそのフレーム位置を固定。
パンとドリーの併用。
パンだけだと急いでいる感が出てしまうところをドリー併用で緩やかにし、日常的な行動として演出している。
4-4
望遠レンズ、手前の生徒はボケ。フォーカスは奥に小さく映る先生。生徒たちは集団でバリアを張っているよう。
→バリアをすり抜ける瞬間、先生の歩調に合わせてカメラの後退移動を始める。
※生徒たちの行動否定を示唆。生徒たちの不安と今後のドラマ展開を予告するものになっている。
望遠レンズ、手前の生徒はボケ。フォーカスは奥に小さく映る先生。生徒たちは集団でバリアを張っているよう。
→バリアをすり抜ける瞬間、先生の歩調に合わせてカメラの後退移動を始める。
※生徒たちの行動否定を示唆。生徒たちの不安と今後のドラマ展開を予告するものになっている。
4-5
上方から見下ろし右へロール
→カット割って左へロールしたショットから、水平に戻しつつ主人公のクローズアップへドリーインする。
※視覚的に瞬間ではあるものの45度程度の回転をしており、非現実的な印象を演出している。
上方から見下ろし右へロール
→カット割って左へロールしたショットから、水平に戻しつつ主人公のクローズアップへドリーインする。
※視覚的に瞬間ではあるものの45度程度の回転をしており、非現実的な印象を演出している。
4-6
煽りで演者を捉える。背後に合図を送るが背後の状況は見えない。
→演者が後退するのに合わせてカメラをティルトダウンすると演者の背後にいたエキストラが映る。(種明かし効果)
煽りで演者を捉える。背後に合図を送るが背後の状況は見えない。
→演者が後退するのに合わせてカメラをティルトダウンすると演者の背後にいたエキストラが映る。(種明かし効果)
4-7
演者とカメラ移動の組み合わせ。
演者をカットバックさせずに演者の演技の動きに呼応するようにカメラを回り込ませている。
※フレーム内で、最初に写していた白服の演者がもう1人の周りをグルッと半周しており、黒服演者が取り囲まれてフレームに閉じ込められた感覚を演出している。
演者とカメラ移動の組み合わせ。
演者をカットバックさせずに演者の演技の動きに呼応するようにカメラを回り込ませている。
※フレーム内で、最初に写していた白服の演者がもう1人の周りをグルッと半周しており、黒服演者が取り囲まれてフレームに閉じ込められた感覚を演出している。
4-8
シルエットは演者の表情がよくわからず観客の想像力を掻き立てる。演者のボディアクティングが重要。
作品オープニング、どういう人物なのか観客の想像を掻き立てる。
演者が人々の前で独り言を呟く。ずっとシルエットになっており、次の展開に対しミステリアスなムードを継続させている。
シルエットは演者の表情がよくわからず観客の想像力を掻き立てる。演者のボディアクティングが重要。
作品オープニング、どういう人物なのか観客の想像を掻き立てる。
演者が人々の前で独り言を呟く。ずっとシルエットになっており、次の展開に対しミステリアスなムードを継続させている。
5-1
肩舐めからクローズアップに至るまでのドリーアップショットをカットバックで交互に見せる。
※同種のショットをカットバックで見せることで、うまく重なり合う効果を演出する。
※ここでは、会話内容で説明するのではなく、カメラと演者の動きでストーリーを伝えるセットアップを考えている。
肩舐めからクローズアップに至るまでのドリーアップショットをカットバックで交互に見せる。
※同種のショットをカットバックで見せることで、うまく重なり合う効果を演出する。
※ここでは、会話内容で説明するのではなく、カメラと演者の動きでストーリーを伝えるセットアップを考えている。
5-2
〜俳優のボディアクトによる演出〜
渡辺はヘリから外の演者を見ている。
→ディカプリオは半身でこれ以上の会話を望んでいない様子。もう1人も現場から立ち去りたいような体の向きをしている。
→急いで接近して話すディカプリオ。煮え切らない態度を表現。
→渡辺のリアクション。
※演者それぞれの立ち位置やカメラに対する体の向け方でおこなえるセットアップに注目している。
〜俳優のボディアクトによる演出〜
渡辺はヘリから外の演者を見ている。
→ディカプリオは半身でこれ以上の会話を望んでいない様子。もう1人も現場から立ち去りたいような体の向きをしている。
→急いで接近して話すディカプリオ。煮え切らない態度を表現。
→渡辺のリアクション。
※演者それぞれの立ち位置やカメラに対する体の向け方でおこなえるセットアップに注目している。
5-3
手を繋いでいるが背中を向け合う。ためらいと愛の結びつきが交錯している様子を演出。
→別アングル。男性はフォーカス内にいる。女性はフォーカス外でボケていて曖昧な心情を演出。
→女性がフォーカス内に入り男性と向き合う。
※演者の目線は重要。見つめ合っていなければ気持ちが通じ合っていないと観客は判断しうる。
※望遠レンズのDOFを用いることで2人の演者の関係性を切り離すことができる。
手を繋いでいるが背中を向け合う。ためらいと愛の結びつきが交錯している様子を演出。
→別アングル。男性はフォーカス内にいる。女性はフォーカス外でボケていて曖昧な心情を演出。
→女性がフォーカス内に入り男性と向き合う。
※演者の目線は重要。見つめ合っていなければ気持ちが通じ合っていないと観客は判断しうる。
※望遠レンズのDOFを用いることで2人の演者の関係性を切り離すことができる。
5-4
ハイアングルから人物を尊大で威圧的に見せるには、演者の目線が上を向いていないこと、演者が動いていることが条件となる。
カメラは歩調に合わせて後退移動している。
→フレーム左にエキストラを立たせて、演者達が通過する時に振り向かせることで前ショットの威圧感のムードを強調している。
※ハイアングルのショットから次に繋げるショットをカットアウェイにすると威圧的なムードを弱めてしまう。例のようにムードを強めるカットで繋ぐのが良い。
ハイアングルから人物を尊大で威圧的に見せるには、演者の目線が上を向いていないこと、演者が動いていることが条件となる。
カメラは歩調に合わせて後退移動している。
→フレーム左にエキストラを立たせて、演者達が通過する時に振り向かせることで前ショットの威圧感のムードを強調している。
※ハイアングルのショットから次に繋げるショットをカットアウェイにすると威圧的なムードを弱めてしまう。例のようにムードを強めるカットで繋ぐのが良い。
5-5
観客が感情移入する主人公のショット
→切り返し。グループセンターポジに敵ボス。
→敵ボスにポン寄り。敵ボスがどんどんカメラに迫り、それに応じてカメラも後退移動するがそれより早く追いついてくるため、シーンに対し強い影響力を持っている人物であることが演者されている。
→切り返し。敵ボスの背が大きく映っており、いまだシーンに影響力を誇っていることを示している。
※1人の登場人物がどんどんカメラに向かって迫るショットは、彼がシーンに変化をもたらし、シーンを支配しているように見える。
観客が感情移入する主人公のショット
→切り返し。グループセンターポジに敵ボス。
→敵ボスにポン寄り。敵ボスがどんどんカメラに迫り、それに応じてカメラも後退移動するがそれより早く追いついてくるため、シーンに対し強い影響力を持っている人物であることが演者されている。
→切り返し。敵ボスの背が大きく映っており、いまだシーンに影響力を誇っていることを示している。
※1人の登場人物がどんどんカメラに向かって迫るショットは、彼がシーンに変化をもたらし、シーンを支配しているように見える。
5-6
演者がフレームインしたところに寄る。
→ためらい、画面手前と奥に行き来する演者をティルトダウン&アップで画面センターに収める。
→決断した演者がフレームアウトする。
※センターフレームは、気が急いていながらもためらっている様子を一番感じさせる配置。画面の左か右かどちらに行くかフレーミングで答えを先出しないこと。
演者がフレームインしたところに寄る。
→ためらい、画面手前と奥に行き来する演者をティルトダウン&アップで画面センターに収める。
→決断した演者がフレームアウトする。
※センターフレームは、気が急いていながらもためらっている様子を一番感じさせる配置。画面の左か右かどちらに行くかフレーミングで答えを先出しないこと。
5-7
〜同時に2台のカメラのドリーインで撮る〜
母ナメの2人
→ドリーイン、母見切れて2人のクローズアップ
3人が均等に見えるショット。
→ドリーイン、2人が見切れて母だけを見上げるショット。
※2人の離れ難い心情と、その輪から締め出されている母の疎外感を演出している。
〜同時に2台のカメラのドリーインで撮る〜
母ナメの2人
→ドリーイン、母見切れて2人のクローズアップ
3人が均等に見えるショット。
→ドリーイン、2人が見切れて母だけを見上げるショット。
※2人の離れ難い心情と、その輪から締め出されている母の疎外感を演出している。
5-8
3人一緒のショットで女性2人が会話。男だけが画面奥にはけるのをカメラが追う。
→残った女性2人の切り返し(黒髪ナメ)
←→さらに切り返し(金髪ナメ)
→金髪が右奥へ移動。振り向きざまに寄りついて黒髪を見切れさせる。(金髪単独)
→男単独
→黒髪単独
※登場人物が意見の不一致や衝突により行動を別にしていく様を描く場合、グループショットを押さえておき、その後、それぞれ単独のフレームに分離するとよい。会話が続いていても効果あり。
3人一緒のショットで女性2人が会話。男だけが画面奥にはけるのをカメラが追う。
→残った女性2人の切り返し(黒髪ナメ)
←→さらに切り返し(金髪ナメ)
→金髪が右奥へ移動。振り向きざまに寄りついて黒髪を見切れさせる。(金髪単独)
→男単独
→黒髪単独
※登場人物が意見の不一致や衝突により行動を別にしていく様を描く場合、グループショットを押さえておき、その後、それぞれ単独のフレームに分離するとよい。会話が続いていても効果あり。
6-1
カメラの前進→右移動→ストーリーの重要アイテムのカートを映す。
※場所の紹介だけでなく同時にストーリーに引き込む事実も伝えている。
暗雲→主人公→環境
カメラの前進→右移動→ストーリーの重要アイテムのカートを映す。
※場所の紹介だけでなく同時にストーリーに引き込む事実も伝えている。
暗雲→主人公→環境
6-2
器具のナメ。
画面の面積の多くを使っており、テーブル周りも意識させている。
次のカットに対して位置関係も示唆している。
燭台ナメ。
ある空間に閉じ込められている印象。
男の手のナメ。
演者の強い目線もあり、男の存在を強く意識させている。
家の周りの植え込みのナメ。
外から遮断されている感覚を演出。
※すべてナメているものがアウトフォーカスしていることに注意。望遠寄りのレンズを使っている。
器具のナメ。
画面の面積の多くを使っており、テーブル周りも意識させている。
次のカットに対して位置関係も示唆している。
燭台ナメ。
ある空間に閉じ込められている印象。
男の手のナメ。
演者の強い目線もあり、男の存在を強く意識させている。
家の周りの植え込みのナメ。
外から遮断されている感覚を演出。
※すべてナメているものがアウトフォーカスしていることに注意。望遠寄りのレンズを使っている。
6-3
望遠レンズ。背景にいる主人公。アウトフォーカスした2-3名のエキストラが場を騒々しく演出。
→同様にヒロイン。
→主人公単独ショット。前2つのエスタブリッシュにより孤独感を演出するカットとなっている。
→ヒロインのカットにはエキストラの腕が大きくガードしている。主人公の手の届かないところにいる感覚を演出している。
※エキストラ2-3名だけで群衆の中にいる感覚を作り出していることに注目する。
望遠レンズ。背景にいる主人公。アウトフォーカスした2-3名のエキストラが場を騒々しく演出。
→同様にヒロイン。
→主人公単独ショット。前2つのエスタブリッシュにより孤独感を演出するカットとなっている。
→ヒロインのカットにはエキストラの腕が大きくガードしている。主人公の手の届かないところにいる感覚を演出している。
※エキストラ2-3名だけで群衆の中にいる感覚を作り出していることに注目する。
6-4
黒板の代わりに板の断片に描いてもらう。
絵の前で会話する2人。
※演者が目線を間違えないように何か対象物を置くと良い。カメラの奥に視線が行くとフェイクがバレる。
黒板の代わりに板の断片に描いてもらう。
絵の前で会話する2人。
※演者が目線を間違えないように何か対象物を置くと良い。カメラの奥に視線が行くとフェイクがバレる。
6-5
子供を残して立ち去るための車ナメ。
骸骨が乗る車ナメの主人公。
室内の窓ナメの追跡者。
※それぞれフォーカスや露出で演者に観客の注意が向くようにコントロールされている。
子供を残して立ち去るための車ナメ。
骸骨が乗る車ナメの主人公。
室内の窓ナメの追跡者。
※それぞれフォーカスや露出で演者に観客の注意が向くようにコントロールされている。
6-6
窓の外側にわまりこんで、覗き込む演者の動作に合わせて、窓の奥にフォーカスを送る。
→演者の主観カット。
※仕切りの多い窓枠で機能する。
※最後のカットはその前とでライティングが変わってることに注意。
窓の外側にわまりこんで、覗き込む演者の動作に合わせて、窓の奥にフォーカスを送る。
→演者の主観カット。
※仕切りの多い窓枠で機能する。
※最後のカットはその前とでライティングが変わってることに注意。
6-7
カメラは配達に来た少年をフォローしつつパンで場所の紹介を済ませて、主人公の元まで来たら、少年を見切れさせてそのまま主人公単独のフレームに移行する。
※場の紹介と主人公の登場を自然にワンショットで描くことに成功している。演者のバトンタッチは手繰り寄せていく感覚で紹介していく。計画段階でショットの最初と最後をしっかり規定することが必須。
カメラは配達に来た少年をフォローしつつパンで場所の紹介を済ませて、主人公の元まで来たら、少年を見切れさせてそのまま主人公単独のフレームに移行する。
※場の紹介と主人公の登場を自然にワンショットで描くことに成功している。演者のバトンタッチは手繰り寄せていく感覚で紹介していく。計画段階でショットの最初と最後をしっかり規定することが必須。
6-8
顔が映り込んだテーブルにディナーの皿を置く母。
コーヒーのジャーに映り込む母。
テーブルに映り込む子供。
※エスタブリッシュに映り込んだクローズアップがあることで、観客は演者の心の内を探ったり、シーン設定や場の開示を期待するようになる。
※映り込みを使うことで、基本的にはショット数の削減され、編集コストを下げ、ショットを美的に見せることにつながる。
顔が映り込んだテーブルにディナーの皿を置く母。
コーヒーのジャーに映り込む母。
テーブルに映り込む子供。
※エスタブリッシュに映り込んだクローズアップがあることで、観客は演者の心の内を探ったり、シーン設定や場の開示を期待するようになる。
※映り込みを使うことで、基本的にはショット数の削減され、編集コストを下げ、ショットを美的に見せることにつながる。
6-9
①右側の鏡に映る主役の背中はフレーム外にある鏡の反射の反射である。
②画面左も同様。
③画面左も同様。
※実写撮影だと機材やスタッフの映り込みもあるのでセットアップは煩雑になることに注意。
2つの鏡に並んで会話する時に有効。2人をフレームに入れなくても映り込みと顔の向きで相手の存在を明確にできる。
①右側の鏡に映る主役の背中はフレーム外にある鏡の反射の反射である。
②画面左も同様。
③画面左も同様。
※実写撮影だと機材やスタッフの映り込みもあるのでセットアップは煩雑になることに注意。
2つの鏡に並んで会話する時に有効。2人をフレームに入れなくても映り込みと顔の向きで相手の存在を明確にできる。
7-1
主人公が追跡者から逃走してくるのに合わせカメラは後退しながらパン、主人公は階段を駆け上がりフレームアウト。
→観客は、画面右から敵が来ると想像しているが、これを裏切り、画面奥と左から新手の敵を出現させる。
※アクションシーケンスでワンショットの中に異なる2つの動きを組み合わせることで予想外の驚きを持たせられる。
主人公が追跡者から逃走してくるのに合わせカメラは後退しながらパン、主人公は階段を駆け上がりフレームアウト。
→観客は、画面右から敵が来ると想像しているが、これを裏切り、画面奥と左から新手の敵を出現させる。
※アクションシーケンスでワンショットの中に異なる2つの動きを組み合わせることで予想外の驚きを持たせられる。
7-2
カメラが動きを止めた演者を回り込み、観客が油断している瞬間に、演者が勢いよく銃を抜き構える。
※アクションで静的シーンからのサプライズを作る。ショットにしばらく動きがないと観客は何かサプライズが来ると予期してしまう。カメラを動かすことでこれを回避できる。
カメラが動きを止めた演者を回り込み、観客が油断している瞬間に、演者が勢いよく銃を抜き構える。
※アクションで静的シーンからのサプライズを作る。ショットにしばらく動きがないと観客は何かサプライズが来ると予期してしまう。カメラを動かすことでこれを回避できる。
7-3
カメラはゆっくり歩く弟をフォロー。
→男が奥から走って弟を追い抜くほうにフォローを変更してパン、兄に掴みかかり叩きのめす。
→カメラを振り戻して弟を捉える。
※カメラを振り戻すことで、追跡やアクションの終焉を演出している。演者ごとに動きの勢いが異なるコントラストを作ることで面白みを加えている。
カメラはゆっくり歩く弟をフォロー。
→男が奥から走って弟を追い抜くほうにフォローを変更してパン、兄に掴みかかり叩きのめす。
→カメラを振り戻して弟を捉える。
※カメラを振り戻すことで、追跡やアクションの終焉を演出している。演者ごとに動きの勢いが異なるコントラストを作ることで面白みを加えている。
7-4
固定の広角レンズからゆっくり押し込む。
画面に歪みを加え、ダイナミックな絵にする。
画面の奥行きに沿った演者の動きを入れると、スピード感が出て迫力が出る。
※ワイドにすることで演者がのびのびとした格闘の演技を行うことを可能にする。
固定の広角レンズからゆっくり押し込む。
画面に歪みを加え、ダイナミックな絵にする。
画面の奥行きに沿った演者の動きを入れると、スピード感が出て迫力が出る。
※ワイドにすることで演者がのびのびとした格闘の演技を行うことを可能にする。
7-5
ドアを開けると数名の演者が部屋に雪崩れ込み、画面左へはけていく。この流れをドア口の演者が止めてそこへカメラが寄りつく。
※観客は止められた演者に感情移入するが、先に走り抜けた演者達にも気が行くので集中は分散される。
※流れを止めることで、観客の欲求不満を引き起こし、緊張感を高めることができる。
ドアを開けると数名の演者が部屋に雪崩れ込み、画面左へはけていく。この流れをドア口の演者が止めてそこへカメラが寄りつく。
※観客は止められた演者に感情移入するが、先に走り抜けた演者達にも気が行くので集中は分散される。
※流れを止めることで、観客の欲求不満を引き起こし、緊張感を高めることができる。
7-6
演者をややローアングルからフレーム中心に据え、カメラを円形に回り込ませる。距離を徐々に離し、スピードを速める。柱を舐めることでスピード感を強調している。
※格闘やトレーニングのショットに有用。
演者をややローアングルからフレーム中心に据え、カメラを円形に回り込ませる。距離を徐々に離し、スピードを速める。柱を舐めることでスピード感を強調している。
※格闘やトレーニングのショットに有用。
7-7
演者が疾走するのを真正面から瞬時に反対のアングルで描写するとスピード感を演出できる。
演者のサイズ感(距離)はショット間で同じにするが、2番目のショットはよりローアングルにする。
※ローアングルで移動すると、人物の動きが実際より速く見える効果がある。演者の動きだけでなく、路面の流れも速く見える。
演者が疾走するのを真正面から瞬時に反対のアングルで描写するとスピード感を演出できる。
演者のサイズ感(距離)はショット間で同じにするが、2番目のショットはよりローアングルにする。
※ローアングルで移動すると、人物の動きが実際より速く見える効果がある。演者の動きだけでなく、路面の流れも速く見える。
7-8
固定ショットで演者がカメラ側(左)に振り向き、対面していたロボも左に迂回して演者の奥側を抜ける。
→切り返し。カットを変えて演者の移動に合わせカメラは後退移動。最初のショットと正反対の位置関係になる。
※決断→行動で立ち位置を変え、ひとつのアクションの終わりと始まりを示唆している。
固定ショットで演者がカメラ側(左)に振り向き、対面していたロボも左に迂回して演者の奥側を抜ける。
→切り返し。カットを変えて演者の移動に合わせカメラは後退移動。最初のショットと正反対の位置関係になる。
※決断→行動で立ち位置を変え、ひとつのアクションの終わりと始まりを示唆している。
8-1
カップルが部屋に入り、多人数と出会うシーンをシンプルに描写する方法。
カップルを写した長めのショット。
→カップルの主観ショット。大勢の演者の顔が見れるが、母がグループ中央で強い光を浴びて目立っている。彼女がすぐ立ち上がって来るので、このショットは比較的短い尺になってる。
→カットを割らずにカメラは右からフレームインしてきたカップルへ移動し、母と対面し抱き合う様を捉える。
→母とカップルが、距離をとると、カメラは母を中心に回り込んでカップル対母の古典的なアングル・リバースアングルへ持ち込んでいる。
※このシーンで表現すべきものが、カップルと母の関係性であることを明確にした上でショットをシンプルに構築する。
カップルが部屋に入り、多人数と出会うシーンをシンプルに描写する方法。
カップルを写した長めのショット。
→カップルの主観ショット。大勢の演者の顔が見れるが、母がグループ中央で強い光を浴びて目立っている。彼女がすぐ立ち上がって来るので、このショットは比較的短い尺になってる。
→カットを割らずにカメラは右からフレームインしてきたカップルへ移動し、母と対面し抱き合う様を捉える。
→母とカップルが、距離をとると、カメラは母を中心に回り込んでカップル対母の古典的なアングル・リバースアングルへ持ち込んでいる。
※このシーンで表現すべきものが、カップルと母の関係性であることを明確にした上でショットをシンプルに構築する。
8-2
カメラは女子の高さ。男が脇を通過するところを女が呼び止める。男はアウトフォーカスした状態で立ち止まる。
→女の頭ナメの男。会話の糸口を探る主観。
→切り返し、男の体ナメ。女が見上げる様子。
→男が画面から去り、残された女。男の気を引き、会話を続けようとする女の微妙な感覚を捉えている。
→切り返し。女を大きくナメ。男のボディアクトによる反応。
※ラストの2ショットは、2人の関係性がまだ希薄なので、クローズアップアップはNG。
カメラは女子の高さ。男が脇を通過するところを女が呼び止める。男はアウトフォーカスした状態で立ち止まる。
→女の頭ナメの男。会話の糸口を探る主観。
→切り返し、男の体ナメ。女が見上げる様子。
→男が画面から去り、残された女。男の気を引き、会話を続けようとする女の微妙な感覚を捉えている。
→切り返し。女を大きくナメ。男のボディアクトによる反応。
※ラストの2ショットは、2人の関係性がまだ希薄なので、クローズアップアップはNG。
8-3
クローズアップで、カメラや相手をストレートに見ないようにしていることで、ドラマティックなムードになる。
→典型的な肩舐め
→切り返し。抱擁でフレームセンターに顔を配置。
2人の表情を1つのミディアムクローズアップで捉えた例。プロフィールショットからカメラに顔を向け直している。
※クローズアップは、カメラの位置決めよりも、演者の顔の向きや位置関係を優先して決定するとよい。
クローズアップで、カメラや相手をストレートに見ないようにしていることで、ドラマティックなムードになる。
→典型的な肩舐め
→切り返し。抱擁でフレームセンターに顔を配置。
2人の表情を1つのミディアムクローズアップで捉えた例。プロフィールショットからカメラに顔を向け直している。
※クローズアップは、カメラの位置決めよりも、演者の顔の向きや位置関係を優先して決定するとよい。
8-4
様式的なイメージ構築。
フォーカスを限定し、局所のディテールを撮る。
ナメや反射を使うことで興味深くしている。
※ドラマに存在する強い緊張感、集中力、またはある人物が起こるべき何かを待ち望んでいるシーンで使うと効果的。セリフはなし。
※実写の場合、接写用のマクロレンズが必要。
※演者の動きはかなり制限される。
様式的なイメージ構築。
フォーカスを限定し、局所のディテールを撮る。
ナメや反射を使うことで興味深くしている。
※ドラマに存在する強い緊張感、集中力、またはある人物が起こるべき何かを待ち望んでいるシーンで使うと効果的。セリフはなし。
※実写の場合、接写用のマクロレンズが必要。
※演者の動きはかなり制限される。
8-5
映写機の映像を見ながら会話する。
強いアイコンタクトで、緊張感と、相手の意思を探ろうとする意欲が見える。
海を見ながら会話する。
物思いに耽っていて精神的な距離を感じる。
※前者は繋がり、後者は断絶、をそれぞれ表現していることに注目。
映写機の映像を見ながら会話する。
強いアイコンタクトで、緊張感と、相手の意思を探ろうとする意欲が見える。
海を見ながら会話する。
物思いに耽っていて精神的な距離を感じる。
※前者は繋がり、後者は断絶、をそれぞれ表現していることに注目。
8-6
カメラは演者達の移動を契機に横移動するのみ。
2つ目まではエキストラに促されるカメラ移動。
→3つ目で男が画面手前左から出てきて会話相手の女性に対面する位置へ移動する。
※エキストラなしに男の演者だけがすぐ登場した場合、わざとらしい印象が出てしまう。
カメラは演者達の移動を契機に横移動するのみ。
2つ目まではエキストラに促されるカメラ移動。
→3つ目で男が画面手前左から出てきて会話相手の女性に対面する位置へ移動する。
※エキストラなしに男の演者だけがすぐ登場した場合、わざとらしい印象が出てしまう。
8-7
なかなか振り向かない悪役。
クセの強い冷酷さ、何するかわからない恐怖感を演出している。
画面の背景にいる悪役が手を広げて存在を主張し、向かって来る。
切り返しは、悪役の主観ショット。彼の突き出した腕ナメで、怯える部下の表情を捉えている。
※クセ強の人物は、あらゆる瞬間を支配、独占する姿が見えていて、全てのショットに迫り来るものだと考えて構成するとよい。
なかなか振り向かない悪役。
クセの強い冷酷さ、何するかわからない恐怖感を演出している。
画面の背景にいる悪役が手を広げて存在を主張し、向かって来る。
切り返しは、悪役の主観ショット。彼の突き出した腕ナメで、怯える部下の表情を捉えている。
※クセ強の人物は、あらゆる瞬間を支配、独占する姿が見えていて、全てのショットに迫り来るものだと考えて構成するとよい。
8-8
望遠レンズ。男のプロフィールショットの背後にアウトフォーカスした女が立つ。
→女が男に追求し、フォーカスに入ってくる。それに合わせてカメラが少し寄る。
→さらに女が追求し、男ははぐらかすように横を向く。
※対立する2人を撮る場合、ショットを割らずに同じフレームに配置し、横位置から撮ったほうがその影響し合う様子をうまく描写できる場合がある。
望遠レンズ。男のプロフィールショットの背後にアウトフォーカスした女が立つ。
→女が男に追求し、フォーカスに入ってくる。それに合わせてカメラが少し寄る。
→さらに女が追求し、男ははぐらかすように横を向く。
※対立する2人を撮る場合、ショットを割らずに同じフレームに配置し、横位置から撮ったほうがその影響し合う様子をうまく描写できる場合がある。
8-9
ドジ秘書と話す主人公
→カメラは廊下を歩く主人公を追う。
→男が立ち止まるとカメラも止まる。
→男が後ろを一瞥する。
→切り返し、ドジ秘書がフレームセンター。
→よりワイドショット。カメラ固定(置き去り)で男が歩み去ることで、去り難さを演出する。
※2人の間に距離があって、カメラを静止させると、主人公の去り難い心情を演出できる。
ドジ秘書と話す主人公
→カメラは廊下を歩く主人公を追う。
→男が立ち止まるとカメラも止まる。
→男が後ろを一瞥する。
→切り返し、ドジ秘書がフレームセンター。
→よりワイドショット。カメラ固定(置き去り)で男が歩み去ることで、去り難さを演出する。
※2人の間に距離があって、カメラを静止させると、主人公の去り難い心情を演出できる。
9-1
頭より少し低い位置から仰角で撮っている。
目の位置でわかる。
全てのショットで女性の頭の位置付近にカメラを置いている。女性の視点で観客に見せている。
※カメラの高さは観客の注意と共感を引き出す。
頭より少し低い位置から仰角で撮っている。
目の位置でわかる。
全てのショットで女性の頭の位置付近にカメラを置いている。女性の視点で観客に見せている。
※カメラの高さは観客の注意と共感を引き出す。
9-2
カメラが水平だと映らなかったものを映せる。
※ショットの秒数が短くても強い緊張感とストーリーが求めるディテールを伝えられる。
カメラが水平だと映らなかったものを映せる。
※ショットの秒数が短くても強い緊張感とストーリーが求めるディテールを伝えられる。
9-3
ジャッキーが身をかがめ、身長差を縮めている。目の高さを基準にカメラを決定している。
立ちと座りで高低差があるパターン。
ジャッキーが身をかがめ、身長差を縮めている。目の高さを基準にカメラを決定している。
立ちと座りで高低差があるパターン。
9-4
ローアングル、立ちで緊張感を出している
→水平アングル、ベッドに座って落ち着いてる。
→緊張してた人物がベッドに座り、ある決心をつけて落ち着いた様子が示されている。
※カメラの高さと距離は、たとえ短いショットでも変更に際してはしっかりとした根拠を持つこと。単なる気まぐれで変えない。
ローアングル、立ちで緊張感を出している
→水平アングル、ベッドに座って落ち着いてる。
→緊張してた人物がベッドに座り、ある決心をつけて落ち着いた様子が示されている。
※カメラの高さと距離は、たとえ短いショットでも変更に際してはしっかりとした根拠を持つこと。単なる気まぐれで変えない。
9-5
カメラが高い位置から演者の位置まで下がると、ものごとの決着がついたかのような感覚を演出できる。
人物を三角に配置して、会話中切り返しを入れながらおこなっている。
カメラが高い位置から演者の位置まで下がると、ものごとの決着がついたかのような感覚を演出できる。
人物を三角に配置して、会話中切り返しを入れながらおこなっている。
9-6
演者の走り抜けるスペースを与え、これを追いかける敵にも注意が向けられている。また、フレーム右方向に逃げ道を見せている。
広角で頭上から。パンでフォロー。
適度なディストーションとスピード感をもたらしている。
演者の走り抜けるスペースを与え、これを追いかける敵にも注意が向けられている。また、フレーム右方向に逃げ道を見せている。
広角で頭上から。パンでフォロー。
適度なディストーションとスピード感をもたらしている。
9-7
地面に置いた望遠カメラで、奥から歩いてくる演者たちを捉える。
→表情が見切れないように、ある一定の寄りになったらティルトアップをする。
※切迫した状況で葛藤をかかえ足早に移動しているとき、ショットを割らずに一気にシーンの全貌を描写するのに有効。
地面に置いた望遠カメラで、奥から歩いてくる演者たちを捉える。
→表情が見切れないように、ある一定の寄りになったらティルトアップをする。
※切迫した状況で葛藤をかかえ足早に移動しているとき、ショットを割らずに一気にシーンの全貌を描写するのに有効。
9-8
2つ目のショットまで主人公は見切れている。
カメラの高さは敗者にあり、その表情で観客をひきつけているとともに、主人公の反応に対するミステリアスさを残している。
→ややローアングルで主人公の表情の開示。
2つ目のショットまで主人公は見切れている。
カメラの高さは敗者にあり、その表情で観客をひきつけているとともに、主人公の反応に対するミステリアスさを残している。
→ややローアングルで主人公の表情の開示。
9-9
演者が壇上へ向かうのをドリーバックで捉え、
→ドリーを継続しつつパンですれ違いを追う。
→壇上で演者がゆっくり半円を描きながら振り返るところへ寄っていく。
※高い天井とステンドグラスがある室内、あるいは屋外で有効。
演者が壇上へ向かうのをドリーバックで捉え、
→ドリーを継続しつつパンですれ違いを追う。
→壇上で演者がゆっくり半円を描きながら振り返るところへ寄っていく。
※高い天井とステンドグラスがある室内、あるいは屋外で有効。
9-10
主人公は座っていて、ためらいの演技。
カメラの高さは、主人公にある。
立場は首相である主人公が上だが、照れくさそうに見上げる演技とカメラポジで立場の逆転が演出されている。
どちらのショットも先生の頭の高さから取られており、先生主導になっている。
主人公は座っていて、ためらいの演技。
カメラの高さは、主人公にある。
立場は首相である主人公が上だが、照れくさそうに見上げる演技とカメラポジで立場の逆転が演出されている。
どちらのショットも先生の頭の高さから取られており、先生主導になっている。
10-1
会話中の主人公の後ろ姿。
→フォーカスを背景の人物に送る。
→主人公の正面に回り込み、フォーカスを戻してその表情を捉える。
※カメラの動きとフォーカス送りで、画面がダイナミックに動き、最終的に主人公の反応(決断)を捉えることで、観客が強く感情移入する効果をもたらしている。
会話中の主人公の後ろ姿。
→フォーカスを背景の人物に送る。
→主人公の正面に回り込み、フォーカスを戻してその表情を捉える。
※カメラの動きとフォーカス送りで、画面がダイナミックに動き、最終的に主人公の反応(決断)を捉えることで、観客が強く感情移入する効果をもたらしている。
10-2
女が室内にいてドアの向こうから男がやってくる。
→女性が室内を動き、部屋のアウトラインがわかる。フォーカスは彼女が部屋から出て行くまで追いかける。
→残された男に寄り、フォーカスを送る。
※カメラは単純なドリーとフォーカス移動だが、演者が動くことで、変化を見せれる。
最初と最後のショットを見ると、別のショットとしての価値をこのワンショットが内包していることがわかる。
女が室内にいてドアの向こうから男がやってくる。
→女性が室内を動き、部屋のアウトラインがわかる。フォーカスは彼女が部屋から出て行くまで追いかける。
→残された男に寄り、フォーカスを送る。
※カメラは単純なドリーとフォーカス移動だが、演者が動くことで、変化を見せれる。
最初と最後のショットを見ると、別のショットとしての価値をこのワンショットが内包していることがわかる。
10-3
主人公の女が音楽を聴いてい
→それを見てる男。
→カメラが後退すると奥から老人が現れる。
→切返し。バカにされムッとする主人公の様子。
→立ち上がった主人公ナメのマスターショット。
※ここでは主人公の女性のショットがカットアウェイのインサート扱い。
※マスターショットとは?
場所、時間、登場人物、その他美術的な空間や装置などを表すために必要なショット。固定ショットとは限らない。全てのシーンを撮影することであり、通常はフルショット以上の引きのサイズになる。
※カバリッジ (カバーショット)とは?
マスターショットで撮りきれていない部分で、後から撮影するショットのこと。ミディアム、肩舐め、アップなど。
主人公の女が音楽を聴いてい
→それを見てる男。
→カメラが後退すると奥から老人が現れる。
→切返し。バカにされムッとする主人公の様子。
→立ち上がった主人公ナメのマスターショット。
※ここでは主人公の女性のショットがカットアウェイのインサート扱い。
※マスターショットとは?
場所、時間、登場人物、その他美術的な空間や装置などを表すために必要なショット。固定ショットとは限らない。全てのシーンを撮影することであり、通常はフルショット以上の引きのサイズになる。
※カバリッジ (カバーショット)とは?
マスターショットで撮りきれていない部分で、後から撮影するショットのこと。ミディアム、肩舐め、アップなど。
10-4
カメラは、工場を監視する兵士をフォローしながら横移動。演者がカメラのドリースピードより早く動き、奥から斜めにカメラ前まで移動してくる。その最中、火や道具などの背景や作業員の様子を描写している。
カメラは、工場を監視する兵士をフォローしながら横移動。演者がカメラのドリースピードより早く動き、奥から斜めにカメラ前まで移動してくる。その最中、火や道具などの背景や作業員の様子を描写している。
10-5
カメラは長回しで首相をフォローして展開する。
官邸のある土地の紹介
→官邸内の様子
→次々ドアが開き中の様子が明らかになってく。
※登場人物の動きに、長回しに耐えられるだけの正当性の有無が求められる。
カメラは長回しで首相をフォローして展開する。
官邸のある土地の紹介
→官邸内の様子
→次々ドアが開き中の様子が明らかになってく。
※登場人物の動きに、長回しに耐えられるだけの正当性の有無が求められる。
10-6
会計士がゆっくり横移動するカメラに向かって歩いてくる。
→会計士が身をかがめて車内を覗く。これにより見切れを回避し、カメラのスムーズな動きを補助している。また、強い左からのライトで表情が捉えやすくなっている。
→カメラは移動し続け、運転手を捉えフォーカスを送る。その間に会計士も乗り込む。
※2-3番目の絵のように事前に車の一部を見せておくことできれいにみせれる。
会計士がゆっくり横移動するカメラに向かって歩いてくる。
→会計士が身をかがめて車内を覗く。これにより見切れを回避し、カメラのスムーズな動きを補助している。また、強い左からのライトで表情が捉えやすくなっている。
→カメラは移動し続け、運転手を捉えフォーカスを送る。その間に会計士も乗り込む。
※2-3番目の絵のように事前に車の一部を見せておくことできれいにみせれる。
10-7
狭い廊下を広角レンズが直進していく。
→複数の演者が次から次へとやってきてはカメラとすれ違い見切れて行く。
→敵ボスがフレームセンターに登場し、カメラの前進をストップさせる。
狭い廊下を広角レンズが直進していく。
→複数の演者が次から次へとやってきてはカメラとすれ違い見切れて行く。
→敵ボスがフレームセンターに登場し、カメラの前進をストップさせる。
10-8
望遠。主人公ナメ。
遠方のカップルにフォーカスしドリーで追い、主人公の反対の肩ナメになる。
→フォーカス送りで主人公を捉え、紙幣が差し出される。
→使用人が来て言伝を聞き、去る。
→正面を向き直る主人公の動きに合わせて、カメラがパンして、彼のプロフィールショットを映す。この最後のショットで主人公の印象をかなり強く残すことに成功している。
望遠。主人公ナメ。
遠方のカップルにフォーカスしドリーで追い、主人公の反対の肩ナメになる。
→フォーカス送りで主人公を捉え、紙幣が差し出される。
→使用人が来て言伝を聞き、去る。
→正面を向き直る主人公の動きに合わせて、カメラがパンして、彼のプロフィールショットを映す。この最後のショットで主人公の印象をかなり強く残すことに成功している。
10-9
レオが自身の右へ移動し、カメラはそれとは逆方向へパンしながら移動する。
→切返し。敵が立っている。カメラはレオの視界を模しており右へ移動。
→フレーム右に空いた空間に奥の間から人質が出てくる。
※カメラは演者の動きを捉えるために動かすのではなく、セットアップによってどのような効果を成し遂げようとしているかを理解するところから構成を考えることが重要とわかる例になっている。
レオが自身の右へ移動し、カメラはそれとは逆方向へパンしながら移動する。
→切返し。敵が立っている。カメラはレオの視界を模しており右へ移動。
→フレーム右に空いた空間に奥の間から人質が出てくる。
※カメラは演者の動きを捉えるために動かすのではなく、セットアップによってどのような効果を成し遂げようとしているかを理解するところから構成を考えることが重要とわかる例になっている。
10-10
主人公に詰め寄る女。典型的な肩ナメだが、奥から男が近づいてきてる。
→男と女が会話し始め、主人公は踵を返しその場を去る。これをカメラは主人公にフォーカスし、後退移動でフォローする。
→男が、主人公追いつき会話する。女がまだフレームにいることに注意。
※演者がフレームからズレたり、フレームアウトすることで、かえってそれが主人公の心情に係って見えることがある。
主人公に詰め寄る女。典型的な肩ナメだが、奥から男が近づいてきてる。
→男と女が会話し始め、主人公は踵を返しその場を去る。これをカメラは主人公にフォーカスし、後退移動でフォローする。
→男が、主人公追いつき会話する。女がまだフレームにいることに注意。
※演者がフレームからズレたり、フレームアウトすることで、かえってそれが主人公の心情に係って見えることがある。
11-1
主人公のプロフィールショット
→奥からやってくる別の演者に対し、主人公かわ振り向き、彼のナメのショットとなる。
→2人はトラックに乗り会話をする。カメラは彼らの正面、ミディアムショットにもってゆく。その最中、背景では、別のトラックが通過したり、エキストラが出てきたらして画面が退屈にならないような効果を与えている。
主人公のプロフィールショット
→奥からやってくる別の演者に対し、主人公かわ振り向き、彼のナメのショットとなる。
→2人はトラックに乗り会話をする。カメラは彼らの正面、ミディアムショットにもってゆく。その最中、背景では、別のトラックが通過したり、エキストラが出てきたらして画面が退屈にならないような効果を与えている。
11-2
にんじんを地面に置くという動きが、一区切りの「間」をつくり、「その人物が誰でどんな表情なのか」という観客の期待を動機づけ、それを捉える次のカメラワークを引き出している。
馬に付けられた布をほどく主人公。
外して顔の向きを変えるのを動機にカメラがフォロー。ポケットに布をしまう様子を捉えにティルトダウンする。
※シーンの人物の動きに対するカメラワークには、正確なタイミングとデリケートな演出が要求される。
にんじんを地面に置くという動きが、一区切りの「間」をつくり、「その人物が誰でどんな表情なのか」という観客の期待を動機づけ、それを捉える次のカメラワークを引き出している。
馬に付けられた布をほどく主人公。
外して顔の向きを変えるのを動機にカメラがフォロー。ポケットに布をしまう様子を捉えにティルトダウンする。
※シーンの人物の動きに対するカメラワークには、正確なタイミングとデリケートな演出が要求される。
11-3
演者が動いているのを固定カメラで捉える。
→演者が何かに気づいてカメラに寄る動作に合わせ、カメラ側でも彼に急に寄せる。
→演者が家から出てきたところ、
カメラが演者に意図的に急迫してクローズアップになる。彼が抜き差しならない状況に陥っている状況を演出し、観客に対してはショックを与える演出になっている。
演者が動いているのを固定カメラで捉える。
→演者が何かに気づいてカメラに寄る動作に合わせ、カメラ側でも彼に急に寄せる。
→演者が家から出てきたところ、
カメラが演者に意図的に急迫してクローズアップになる。彼が抜き差しならない状況に陥っている状況を演出し、観客に対してはショックを与える演出になっている。
11-4
スピーチ役が話している反対方向にフレームの余白があり、聴衆の反応が描写されている。
→スピーチ役の袖ナメ。エキストラたち。
→カーブ状の構図。映画で重要な演者は左端に捉えられている。
※前景と背景をうまく使うことで観客の注意を引きつけられる好例。
※フレームセンターにだけ演者を配置してしまうと、鈍い感じ、魅力の乏しいショットになることが多い。
主人公へ前進するカメラ前をエキストラが横切ることで騒々しい空間を演出。(前景の工夫)
車の走る方向と逆へ走るからこそスピード感が画面に出る。(背景の工夫)
スピーチ役が話している反対方向にフレームの余白があり、聴衆の反応が描写されている。
→スピーチ役の袖ナメ。エキストラたち。
→カーブ状の構図。映画で重要な演者は左端に捉えられている。
※前景と背景をうまく使うことで観客の注意を引きつけられる好例。
※フレームセンターにだけ演者を配置してしまうと、鈍い感じ、魅力の乏しいショットになることが多い。
主人公へ前進するカメラ前をエキストラが横切ることで騒々しい空間を演出。(前景の工夫)
車の走る方向と逆へ走るからこそスピード感が画面に出る。(背景の工夫)
11-5
主人公の位置をよりどころに位置情報を知らせる。(各演者の位置は固定)
フレームセンターで手を伸ばしているので存在は認識できる。特徴ある柄のセーターも認識を手助けしている。
→セーターの柄がわかる手のナメ
→切返し
→画面右にナメ。
→主人公が強く目線をフレーム外に送る。
→主人公の主観。
※例のような登場人物が多い長いシーンでは、混乱を避けるために、冒頭で主人公がどこにいて何をしているのかを明示することが重要になる。あとは観客が彼を基準に判断してくれる。
主人公の位置をよりどころに位置情報を知らせる。(各演者の位置は固定)
フレームセンターで手を伸ばしているので存在は認識できる。特徴ある柄のセーターも認識を手助けしている。
→セーターの柄がわかる手のナメ
→切返し
→画面右にナメ。
→主人公が強く目線をフレーム外に送る。
→主人公の主観。
※例のような登場人物が多い長いシーンでは、混乱を避けるために、冒頭で主人公がどこにいて何をしているのかを明示することが重要になる。あとは観客が彼を基準に判断してくれる。
11-6
エキストラが通過して空舞台になった廊下をカメラは前進移動し、その先にドアがある。
→カメラが進んでいくと、2人の主人公が奥から現れて、ドアにに向かう。
→カメラは主人公の1人の肩ナメで彼女の視点の先を捉える。
フィールドで遊ぶ少年たち前景背景のフォーカスボケから少年たちだけが強調されており、誰かの視界であることを示唆している。
→2人の少女。
※目線はカメラにむけず、客観的なアングルから捉えることで少年たちを見ていることが伝わることに注意。
→1人が別のところを向くことで、残された1人の演者の視点であることがわかる。
エキストラが通過して空舞台になった廊下をカメラは前進移動し、その先にドアがある。
→カメラが進んでいくと、2人の主人公が奥から現れて、ドアにに向かう。
→カメラは主人公の1人の肩ナメで彼女の視点の先を捉える。
フィールドで遊ぶ少年たち前景背景のフォーカスボケから少年たちだけが強調されており、誰かの視界であることを示唆している。
→2人の少女。
※目線はカメラにむけず、客観的なアングルから捉えることで少年たちを見ていることが伝わることに注意。
→1人が別のところを向くことで、残された1人の演者の視点であることがわかる。
11-7
ゲートの向こうで放牧される馬、
→カメラが後退すると男がゲートを開いて入り、ゲートを再び閉める。
→ロープのクツワが馬の意に反してはめられる。
→馬が男たちに引かれていく。
※ここで言いたいのはカットの積み上げでストーリーが出来て、カットに特定の意味が込められていること。モンタージュの話をしている。ストーリーのポイント(モンタージュの構成)をカメラワーク、小道具、演出を使って明確に描出する工夫をすることで優れた映像を作ることができる。明確化することで最小の構成で洗練された描写をすべき。
ゲートの向こうで放牧される馬、
→カメラが後退すると男がゲートを開いて入り、ゲートを再び閉める。
→ロープのクツワが馬の意に反してはめられる。
→馬が男たちに引かれていく。
※ここで言いたいのはカットの積み上げでストーリーが出来て、カットに特定の意味が込められていること。モンタージュの話をしている。ストーリーのポイント(モンタージュの構成)をカメラワーク、小道具、演出を使って明確に描出する工夫をすることで優れた映像を作ることができる。明確化することで最小の構成で洗練された描写をすべき。
11-8
長回しは、長いダイアログの区切りのよいところで一度切って、カットを分けて撮ることも大事。
3→4のショットでカットがされている。アングルは変わっているが、サイズはほぼ同じで、演者の動きが連続し、連続性を維持できている。ほとんどの観客はワンショットのロングテイクと感じる。
※長回しは、リハーサルにもコストがかかり、演者の中には退屈になりイライラしだす人もいるので分割する決断も必要。
長回しは、長いダイアログの区切りのよいところで一度切って、カットを分けて撮ることも大事。
3→4のショットでカットがされている。アングルは変わっているが、サイズはほぼ同じで、演者の動きが連続し、連続性を維持できている。ほとんどの観客はワンショットのロングテイクと感じる。
※長回しは、リハーサルにもコストがかかり、演者の中には退屈になりイライラしだす人もいるので分割する決断も必要。
11-9
主人公は女性の演者。彼女の視点を考慮して構成を考える。
ガウンを着た主人公=> 不意の客とわかる。
→ドアは半開け=> 招かれざる客とわかる。
→異様な速さで入室する男=> 権利者を示唆。
→主人公の前景にも背景にも男=> 囲まれ追い込まれてる感。
→鍵の付け替え業者
→主人公を正面に捉えて、その苦悩を描出。
※主人公に起こる感情的な体験や事件を考え、シーケンスに内在する描くべきショットを明確かつ簡潔に対比して描出することが大事。
主人公は女性の演者。彼女の視点を考慮して構成を考える。
ガウンを着た主人公=> 不意の客とわかる。
→ドアは半開け=> 招かれざる客とわかる。
→異様な速さで入室する男=> 権利者を示唆。
→主人公の前景にも背景にも男=> 囲まれ追い込まれてる感。
→鍵の付け替え業者
→主人公を正面に捉えて、その苦悩を描出。
※主人公に起こる感情的な体験や事件を考え、シーケンスに内在する描くべきショットを明確かつ簡潔に対比して描出することが大事。
11-10
現場に出る→演者を並べる→アングルハントする
→注目点、強調したいものが表現できたか?
→俳優が意図を具現化できているか?
2人の演者の間をフリーハンドのカメラで素早く動く。現場で直感的に映すべきものを判断して撮っている例。
事前のストーリーボードに基づいた撮影例
事前のストーリーボードに基づいた撮影例
現場に出る→演者を並べる→アングルハントする
→注目点、強調したいものが表現できたか?
→俳優が意図を具現化できているか?
2人の演者の間をフリーハンドのカメラで素早く動く。現場で直感的に映すべきものを判断して撮っている例。
事前のストーリーボードに基づいた撮影例
事前のストーリーボードに基づいた撮影例